プログラマー兼Webデザイナーの小久保です。アールズに入社して3ヶ月が経ちました。スマホアプリのプログラマー、Webデザイナーとして働いています。入社直後の記事はこちら↓
0歳の娘が生まれてすぐに大手を退職した僕ですが、そんな僕だからこそ中小の技術者になるメリット・デメリットを伝えておきたいです。
(一部、中小全般ではなくアールズに限った話の場合があります。ご了承ください)
メリット
無駄な会議が少ない
人数が少ないおかげで、情報伝達に時間がかかりません。なので「とりあえず人を集めて会議だ!」みたいなのが一切ありません。相談が必要な際は自席から口頭で確認し、タスクをchatworkやbitbucketにあげておくだけです。大変楽です。
開発に集中できる
無駄な会議がないということは、とことん自分の作業に集中できるということ。ほとんど毎日朝から晩までコーディングしてます(それか今のようにブログを書いてます)。
技術者は社内政治や面倒な調整ごとに関してコミュニケーションを取らされるのが一番嫌いです。誰にも邪魔されず自分のやりたいことをやれるのが幸せですし、ひいてはそれがソフトの品質に直結します。ソフトの品質に影響するのであれば開発者を集中させることって重要視しなきゃならないですよね?
ソフト技術者が自由闊達に開発をしているメルカリなどに比べると、ガッチガチのPMが30分ごとに進捗を聞いてくる企業が作るソフトは、全く雰囲気が違います。どっちが良いソフトを作るかは想像にお任せします。
お客さんと自分が近いので、コスト感と調整力が身につく
クライアントワークの場合、仕様面では直接お客さんと調整をします。工数に基づいたシビアなコスト感や、要求の実現性調査などなど。調整作業をサボると全部自分に降りかかってきます。そのため調整ごとは大企業にいた頃よりしっかりやるようになりました。
裁量が信じられないくらい大きい
中小は人数も少ない上、意思決定まで時間をかけられるほど企業体力はありません。幹部がダラダラ決定を先延ばしにしている間、「なかなか返事こないねえ」なんてインターネットしてる暇はないのです。そのため、根拠とやり方さえ明示すれば誰の意見であろうとすぐにGOがでます。
札幌で昔話題になったグルメサイト「コアランチ」はアールズが運営しています。僕は入社して1ヶ月の時点でこのサイトのリニューアルをやりたいと申し出ました。更新も止まってましたし、もっとうまくやれる方法があったからです。すると即、「やってみて」と返答がありました。自社のキラーコンテンツを入社してわずかな者にやらせてくれる雰囲気、たまらないです。
自分で考え自分でプロダクトを作るので技術力が伸びる
人数が多ければ多いほど、お前誰だよ的な企画部や営業、事業部長などから「もっとこうしたい」「ああしたい」と色々注文が入ります。その注文は「お客様のため」というキラーワードの元、全て受けることになるのですが、そういうことを続けていると開発陣はどんどん疲弊していきます。やらされ仕事があまりに多いばかりに自分のやりたいことをやる暇がなくなります。化石みたいなフレームワークでいつまでも効率の悪い開発をする羽目になったり、潰しの効かないスキルばかりが身につきます。すると「俺は技術者としてこれで良いのだろうか」と苦悶します。
一方、中小の場合、社員数も少なく常にお客さんと近い位置にいます。間にはほとんど誰もいません。そのためお客さんの意図を最優先しつつ、自分の意志を通すことができます。最新の技術を使って、自分が「これだ!」と思う技術を使って開発できますので、ベースのやる気が段違い。必然スキルが上がり、ノリノリで作っているので品質も高くなることが多いです。
ただ、リスクもあるので後述します。
会社が潰れてもどうにかなる力が身につく
明日会社が潰れても全く問題ありません。逆に中小にいるからこそ会社が潰れてもどうにかなるのです。だって、得られたものってすごいですよ。
- 現場で使えるスキル
- お客さんとの交渉、調整力
- 自分(または自分に近いところ)でデザインし検討したプロダクトの実績
この3点をアピールして再就職活動をすれば、すぐに就職できます。一瞬です。どこもかしこもそう言う技術者が欲しいんですから。
技術者が会社が潰れたら怖いと言うのはナンセンスです(そもそも技術がないんじゃないでしょうか? であれば投資すべきです。技術者を名乗りたいのであれば)。怖がる必要はありません。どこにだって就職できるし、零細でもホワイト企業はあるのですから。
逆に、大手で窓際にいて仕事も閑古鳥が鳴いている。自分のスキルを高める投資もしていない。副業もしていないしコネもない。そんな方。申し訳ないですが、そっちのほうがよっぽどリスクがあります。リストラされたら打つ手ないですよね?
デメリット
優秀な営業担当や自由にやらせてくれる社長がいない場合 残業時間が膨れ上がる
社長の言うことは絶対。たとえ的外れでも絶対にやらなければならないと言う風土の企業だった場合、地獄です。そう言う企業は中小の場合ごまんとあります。
基本的に、非専門家のマネージャー層が専門分野に口を出すと、無駄が多くてロクなことになりません。たとえ技術畑出身のマネージャーだったとしても、今はマネージャー業をやっている以上、その技術は衰えています。昔取った杵柄でメモリ管理やデザインのあれこれについて口出してくるのは現場からしたら勘弁です(て言うかメモリ管理なんて細かい話を管理側が指摘すべきじゃない。もっと大局を見てよ)。現場も納得しないまま作業したり卓袱台返しを食らうのでその分作業効率は悪くなり、残業時間が膨れ上がります。
現場に権限移譲をきちんとできていない中小は避けるべきです。まずブラックです。
また営業が、開発陣の工数を無視して仕事を取ってくるケース。気持ちは分かります。仕事がない時間を作ってしまえば即会社がとびますからね。ただ、見積もり工数を度外視して無理なスケジュールを組んだ結果、残業時間が増えます。ついでに言うと士気も品質も効率も落ちるので最悪です。そう言うことをやっていると過酷な労働環境に技術者が定着しなかったり、品質の悪いものをあげて逆にお客さんの信頼を失ってしまったりします。長期的に見ると最悪だったりします。
なので、面接や会社訪問した際、営業の取ってくる仕事の量について質問したり、技術者が死んだ顔をしていないかよーく観察してみてください。ハローワークの担当にその辺を聞いて反応を見るのも有効な手です。
独りよがりに陥るケースがある
自分を邪魔する人はいないので、自分の意見が直お客様への施作に反映されます。自由でいいなあと言う反面、律する人がいないと言うのは大変なリスクです。
大手の場合、プロダクトは大勢で作成するため、あらゆる観点からリスクが洗い出されます。レビューの回数もアホみたいに多いです(無駄なレビューも含めて)。その分お金もバカにならないぐらいかかるのですが、人をかけた分だけ、リスクヘッジという点では大手は安心です。
ところが中小だと、そもそも扱う額が少ないので人をかけられない→少数の技術者のスキルが品質に直結 と言う図式。つまり自分の決定が会社に甚大な損害を与えかねないのです。そのため、常に独りよがりな開発になってないか確認し、お客さんのことを考えて開発する姿勢が求められます。「俺が正しい、他はみんなアホ」みたいなオラオラ系の技術者は技術があっても逆に中小に向かないと思います。
福利厚生はさすがに劣るかも
何かのサービスの優待だったり、ストックオプション、社食、保養所などのレクリエーション系はないところが多いです。なので、最低限下記ぐらいは確認した方が良いと思います。一部福利厚生? って言うのもあるかもしれませんがご容赦を。
- 健康保険料
- 厚生年金
- 雇用保険
- 児童手当
- 通勤費
- 家賃補助
- 育休
結構あるのが、雇用保険がついてないケース。通勤費などもバカになりません。面接時やハローワークなどできちんと聞いておきましょう。落とされるかもとか心配なく。福利厚生を質問して落とすところは落ちた方が良い会社です(笑)
(ちなみにアールズは全部あったはず。詳細は問い合わせるかハローワークに聞いてみてください。どホワイトなのは間違いない。)
中小へ行くことも選択肢に入れよう
以上、中小に技術者がいくことのメリット・デメリットでした。正直デメリットは無理して出しました(笑)。ステマじゃないですが現状全く不満がないので。
自分のキャリアに疑問を持つ大手の技術者の方は、中小へ行く、と言うことも視野に入れてみても良いんじゃないでしょうか。(て言うか入れましょう)
本日は以上!